土地、家の建築費、税金、登記料、エアコンなどの設備や引っ越し代など、全部合わせて五千四百万円かかる。
手持ちの現金は三百万円ほどしかなく、あとは銀行と会社からの融資でまかなわねばならない。
「融資が通らなければあきらめるつもりでした。
でも通ったから買ったんです。
たしかに高額のローンかもしれないけれど、ローンが払えないようなら売ればいいし」。
一九九八年末に完成。
九九年の一月に入居した。
「A荘」のスタートから十五年足らず。
Tさんは住宅すごろくの新しい目に駒を進めた。
家の主役はコレクション・アイテムTさんの家の玄関を入ると、壁には扉のついていない棚があって、靴と帽子が飾ってある。
おしゃれでカラフルな靴と帽子は、玄関の華やかなインテリアになっている。
中には、原宿を歩いていたときに拾ったという「T」のヘルメットまである。
Tさんはコレクターだ。
帽子をはじめとして、フィギュア、CD(四百枚あるとか)、欧米のコミック雑誌、ピンナップ雑誌、ビデオなど、楽しくておもしろそうなものをたくさんコレクションしている。
家はコレクションを飾るための“ギャラリー”的スペースなのだ、と家の内部を見せてもらってわかった。
一階は浴室、洗面所と六畳の部屋が一つある。
「まだ片づけが終わってないんですが、いずれはこの六畳間にも棚をつけて、もっとコレクションを飾りたいです」。
のぞくと、部屋の真ん中にカウンターがあった。
「ああ、このカウンターは建築家の友だちにつくってもらったんですけれど、いずれはここをバーみたいな部屋にしようかなと考えてます。
友だちが来て、気軽に飲める空間にしたら楽しそうでしょ」。
二階はキッチンとリビング。
あわせて十五畳ほどのスペースだ。
壁に洋雑誌のピンナップが張ってあったり、階段脇の窓の桟にフィギュアが並べてあったり、トイレの中にも本棚があって古いマンガが置いてあるなど、あらゆるスペースにコレクションが飾ってある。
上下左右どこに視線が向いても、何かおもしろいものが目に入ってきて、退屈しない家である。
三階は寝室。
壁一面がクローゼットになっている。
階段の手すりにクローゼットにおさまりきらなかった服や帽子がかけられているのだが、それさえもコレクションの展示のように見えてくる。
リビングはTさんが一番長い時間をすごすスペースだけあって、楽しいもの満載だ。
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